長承寺の雷井戸(ちょうしょうじのかみなりいど)
乳薬師境内には、その昔住職が境内に落ちた雷を法力を用いて捕まえ、井戸の中に押し込めたと伝えられる「雷井戸」があります。
昔、長承寺村(現在の鳳南町)付近には落雷が多く、村人たちは困り果てていました。長承寺の住職は難儀をみかね、ある夏境内に落ちた雷を法力を用いて捕まえ、井戸の中に押し込めました。雷は泣き出し「二度と落ちませんから」と謝るが、住職は「落ちないのは当たり前じゃそれぐらいでゆるすもんか」と、説教したところ雷は「では早天の夏、雨を降らして差し上げます、長承寺の雷はんと何度か唱えてください、きっと降らせますから」と誓ったので、住職は呪縛を解いてやりました。それ以来、この地方は落雷の災いから免れるようになったといわれています。