喜連地区
喜連は「キレ」の音も「クレ」の転訛とされ、『古事記伝』以来「伎人郷(くれひとのさと)」、つまり大阪における最初期の渡来人の定住地であることが定説となっています。
喜連は、古代のムラが中世の環濠集落、近世の惣村へと発展していったことを跡づけられる埋もれた遺跡群が再発見されている真っ最中です。数百年を住民の手で守られてきた18体一斉の地蔵盆、今年180年祭が催された古式豊かな修験道の行事などが、今も息づいています。100年を越える寺・蔵・屋敷からなる歴史的街並みが、時代の波に耐えています。豊富な近世文書はこれから発掘・解明に取りかかるところです。いま、その歴史が明らかになりつつある喜連は、正に、村ぐるみ博物館として積極的に保存・深化させるべき、旧くて新しい生きたミュージアムです。